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“文学少女”と神に臨む作家(上) [ファミ通文庫]


えーと。”文学少女”の第7巻?ですね。ついに出ましたねえ。

5巻の「巡礼者」で、とりあえず当面の最大のライバルであるところの「美羽」と激突。散々美羽の姦計に嵌ってボロボロになりつつどうにか勝利を収め、さて、んじゃいっちょまとめてみっか!みたいなカンジになるのかとか思っていたのだけど、ここに来て、というか、満を持して、というか。「遠子先輩」との決戦を入れてきました。しかも上下巻。これは…とんでもねえ修羅場のニオイがしますよ。

とりあえず半分くらいまで読んだんだけど、もうね…

もうななせをいいかげん幸せにしてあげておくれよ…。
最終決戦を乗り越え、ついに心葉とお付き合い!することになったななせ。だけどここまで来て。ここまで来て、それでも運命というやつは残酷なのですねえ…。
また…また心葉の知らないところでいじめられてるよ…。(物語構成上)
で、ななせはこういうことを心葉には決して明かそうとしないから…よけいつらいんだよねえ。見事なすれ違い。「お付き合い」してるのに。すれ違い。
折角の、折角の自宅訪問イベントを発生させても…遠子先輩に先を越されるわ流人にあからさまに邪魔されるわ…。ああ。ああ!

ななせの喜ぶ姿が、その後完膚なきまでに叩きのめされる伏線であるってのが、先々で読めてしまうので、余計つらい。
もうやめて!ななせのライフはゼロよ!

…えーと。うん。なんだかこの巻になって唐突に遠子先輩のバックグラウンドというか、そういう人間関係みたいなのがぐーっと広がって、んでその裾野が心葉のいまだ癒されぬ部分、すなわち「井上ミウ」であったこと。に触れてきている。のですね。
ううん。正直遠子先輩っていう存在ってのは、実は存在していないんじゃないか?(本の妖精さんなんじゃないか?)とか思っていた時期もあったのですよ。例えば5巻あたりで義理の母親があからさまに遠子先輩のことを避けてる(気づいていない?)、であったり、かつて文化祭だかのポスターのモデルをやったとき、周りの人たちに「えっ?この可愛い娘は誰?」とかうわさされていたのも実は、他の生徒には遠子先輩のことが見えていない?みたいなことなんじゃないかなあ???とか、まあそんな風に想像していたわけです。流人なんて、遠子先輩が実体だろうが霊体だろうが頓着しなさそうだしねえ…。

だけど、いわゆる遠子先輩の父親母親の姿、そして「義理の母」との関係を見るにつれ…。これは恐ろしい愛憎劇が、またしても展開されますよ!みたいなカンジになってるんだよねえ…。とても、実は遠子先輩は「ホントに本を食べる妖怪さんでした!」でごまかせないよねえ…。いま、ここに居るよねえ…。


考えたくない…考えたくないが
ななせが心葉に立ちはだかる最後の壁になるかもですよねえ。なんかねえ…この流れだと、6巻に見せた「幸せな未来」のお相手が実はななせじゃないってなりそうなんですよ。
いやもうホント…どうなるんだろう…。