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[感想]おおかみこどもの雨と雪

これは神映画ですわ

本日封切りだったおおかみこどもの雨と雪。早速観てきましたよー。はいめっちょ堪能しました満足です。思いっきり涙腺大決壊して帰ってきました。うわーやられたーこれは神映画ですわー今夏ナンバーワン映画のご登場ですわー(小並感)
ええとこれ予告のカンジを見るにケモナー族が領土拡大の為に送り込んだ決戦兵器的アレだろ?とか身構えてたんですよ。おおかみこども(おおかみ男と人間のハーフ)である雨と雪って問答無用に可愛いじゃーん???故にアニメ版名探偵ホームズのハドソン夫人的アレで、またいたいけな青少年に新しい属性を植え付ける映画になっちゃうだろやめろ!ロスケハヤクニゲロ!とか思ってたわけですよはい。だけどいざ観てみると、これはケモ映画(?)じゃなく子育て映画で、そして子離れ映画だったんですね。たぶん見る人によって様々な解釈があるんだろうなーとか思うんだけど(おおかみこどもは子供の個性を際立たせるための仕掛けかと思ってた)、個人的には「子離れ」ってのをすごいドラマチックに描いた作品だなあーとか思いましたよ。
とりあえず思ったことなど忘れないうちにちこちこ書いてみます。ネタバレ込みで行くんで折り畳みますよー。
荒っぽいあらすじ:主人公である花(cv:宮崎あおい)は狼男と恋をしてふたりの子供をもうけるが、その子らは狼と人とのハーフである「おおかみこども」であった。彼女はこどもたちが将来狼か人間どちらでも選べるようにと田舎で暮らすことを選ぶのだが…。

おおかみの10歳って成人でしたわ(ガッカリ

ええと、この映画を観て強烈に思ったのは「子育て」というのは「子離れ」を内包しているのだなってコトです。
この作品は、おおかみこどもの雪(姉)と雨(弟)が成長していく姿を追った映画だと思うんだけど「おおかみの10歳は立派な大人である」ってのは観るまで気づきませんでしたね。めっちょ盲点でした。つまり「おおかみこども」って仕掛けは子供の個性を際立たせると同時に早すぎる親離れを内包させる演出だったのですねー。ほげええええ。
おおかみこどもの雪と雨ははじめ、やんちゃな姉とナイーブな弟ってカンジで描写されていくんだけど(ここがめっちょカワイイ!)やがて姉である雪は人間として生きることを選び、弟の雨はおおかみとして生きることを選んでいくんですね(姉は小学校で学び弟は山で学ぶ)で、ある雨の日ついに「一人立ちの時」がやってくる。なんと雨、御年10歳ですよ。母親である花はまずそれを受け入れられず、抗って抗って抗って抗って、だけどついにそれを受け入れていく。花っておおかみか人か、子供にはそれを選べるようにしたつもりで実はおおかみという生き方を心のどこかで否定していたんですね。多分それは花が「母親」だから。だけどついに、ついにそれを受け入れて行く。だってそれが「母親」だから。もうココにホントぐっと来ました。この瞬間涙腺大決壊ですわ。こんな鮮烈な子離れあっていいのん?これっておおかみこどもという狼と人とのハーフだからこそ生まれたシーンですよね。いやすごい仕掛けですわ。狼と人間はその姿形だけでなく生きる時間そのものが違うのだから。
で、ですね。ここで思いっきりラストのネタバレするんだけど、道中母親として着々と成長してきた花が(そのビジュアル込みで)、雨と別れる時「彼(おおかみおとこ)と出会った頃の少女に戻る」んですね。この描写にすごいウワアアアアアってなりましたよ。子離れの瞬間花は雨の母親から一人の少女に戻ってるんですよ。おおかみという人とは違うものと生き方を共にしてきた者が、ついにそこから去る瞬間。自分と一心同体だったものを他者として切り離す(認める)瞬間がこれほどドラマチックに描かれるとはなーとか思いました。
堪能しましたですよ。これはもう一度観に行きたいですねー。