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オール・ユー・ニード・イズ・キル

おっ!スーパーダッシュ文庫オールユーニードイズキルがハリウッドスターのトムクルーズ主演で映画化されたのか!
トムクルーズ 52歳←ファ?!
ブラッドピット 50歳←ファアアア?!?!?!

観たンゴ

トムクルーズ版時を駆けるおっさん、またしてもアマゾンインスタントビデオで
観ましたぞい(挨拶)
主人公であるキリヤ・ケイジを演じるトムクルーズは御年52歳ですか(白目)女児のなかでトムはM:I-2、ブラピはセブンあたりで完全に時が止まってたのでびっくりしました。いやいやトムもブラピも30代後半位だしジョニデもそんなもんでしょ(51歳)僕は騙されないぞ(錯乱)
まあそりゃそうと、オールユーニードイズキルってラノベ原作(2004年)らしいですね。2004年頃のスーパーダッシュ文庫って言えばR.O.Dとか紅とかその辺がまだブイブイ言わせてた時代ですか(久しぶりにスーパーダッシュ文庫のアーカイブ見たら書影で死にそうになった)拙者その頃はまだバリバリラノベ読んでた時代だったんだけど普通に未読でしたわん。
しかし10年前位のラノベが今ハリウッドに一本釣りされるとか、さすがは21世紀って感じですな。
内容はいわゆるループもので、ひょんなことからタイムリープ能力を身につけてしまった主人公が、死んでは生き返りを繰り返しながら(死ぬことがループのトリガーになっている)侵略者である異星人と戦うって物語ですん。
あからさまな小物に扮したトムがループを繰り返すことで実戦経験を積み、やがて心身ともに歴戦の勇者に成長していくってシナリオは素直にワクワクするし、なにより強くなる過程をまるまる追体験するからガッツリ感情移入出来るって寸法ですよ。スタート地点がクズなだけに余計うまい展開ですよねー。
んでは感想などメモ書きしておきます。折りたたみますよー。

ループものと分かり手の関係


ループものってのは、言ってみればエロゲにおけるルート分岐を主人公に知覚させるって技法で、古くはYU-NO、シュタゲ、最近ではわれめてなんかがこれに当たりますよね。

トム「自分このルートで死んだけど、別ルート通ってればバッドエンド回避出来んじゃね?」
トム「あっ…(察し)」
トム「アカン!死んでやり直しや!(ロードボタンポチー!)」
オールユー(略)では、たまたまぶっ殺した敵(アルファギタイ)がまさにその時間遡及能力の持ち主だったんで、その能力を奪うことで世界滅亡直前に戻り、死んではリセットを繰り返すことで、なんとか敵の親玉(オメガギタイ)まで辿り着くことを最終目標にしてるんだけど、これってすごく孤独な戦いですよね。何故ならループしてるってことを自分以外は知覚できないのだから。
ループものはそのルール上、孤独にならざるを得ない。
ということで、主人公のループを理解してくれるわかり手〜今作では戦場の牝犬と呼ばれるヒロイン(かつてループを経験したもの)の存在が実は必要不可欠なわけです。孤独な繰り返しの暗闇に一条の光を差し込む者として。シュタゲで言えば栗ご飯だったり魔界大冒険で言えばドラミ。まどマギで言うならほむほむに対するアルティメットまどかみたいなもんです。
分かり手がループを繰り返してきた者を知覚して認めてあげるその瞬間にこそ、ループしてきた者への救いがあると思うんですよね。だから好き(ハート)

ラストの余韻がいい

侵略者の親玉であるオメガギタイを倒したとき、同時にループのきっかけとなったアルファギタイも倒したことで、またしても前日にループするも、未来のオメガは死んじゃったんで戦争は終結するってラスト。ループから戻り戦いから解放された主人公が何も知らないヒロインに会いに行くのちょっと切なくて良いですな。
そう自分以外はあの膨大な時間を知覚してないのだから。本編中で散々煮え湯を飲まされたけどラストは協力してギタイと戦ったJ分隊の面々でさえ戦いのことを覚えていない。全くの孤独。
だけどヒロインがかつてのループ体験者であり、彼女は自分のことを知覚してないけれど自分は彼女ののことを理解している。労をねぎらうことが出来る。分かり手になることが出来る。容易に飛び越えられない断絶された時間や空間が存在しても、心はそれを知覚している。その途方も無さに思いを馳せる事が出来る、その瞬間がSFなんだよなあーって思ったり。
良さ〜(鳴き声)
堪能しましたよ。今更だけど原作も読んでみますかね〜。