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[感想]劇場版 仮面ライダードライブ サプライズ・フューチャー

ありがとう三条陸

観た

今年のライダー映画、劇場版 仮面ライダードライブ サプライズ・フューチャーを観た。
正直ここ数年のライダー映画はジャンルに対するお布施くらいの感じで観に行ってたんだけど、今回の映画は思った以上に内容がしっかりしていて久しぶりに「映画そのもの」にお金を払った〜って感じになったので良かった。
いわゆるライダー映画は、

1.春映画やMOVIE大戦に代表されるお祭り映画
2.パラロスやミッシングエースみたいに本編とは設定が異なるパラレルワールド映画
3.テレビシリーズと設定・世界観を共有しつつTVシリーズで語られなかったエピソードの映画

に大別されると思うんだけど、今回のサプライズ・フューチャーは3.の「TVシリーズで語られなかったエピソードの映画化」で、派手さは無いものの破綻なくまとまっていて納得感があったので最高でした。
思えば名作と名高い運命のガイアメモリの脚本も三条陸で、ありがとう三条陸という他ない。

以下感想。


あらすじ

エイジ「ベルトさんは人類を滅ぼす巨悪」
視聴者「知ってた」

良かった所

仮面ライダードライブは仮面ライダーという冠こそ頭に付いているけど、内容は主人公である泊進ノ介(若造)とベルトさん(ベテラン)がバディを組む刑事ドラマがベースになってまして、今回はその刑事ドラマの鉄板エピソードである「バディとの別れ」が描かれたんだけど

  1. ベルトさんがバディである進ノ介の手によって破壊される
  2. 進ノ介がやさぐれるもベルトさんの遺志や仲間たちによって復活する
  3. 進ノ介がベルトさんを蘇らせる
これをいつものライダー映画よろしく「雑に殺す→雑に復活」パターンで逃げずに、きちんと過不足なく見事に仕上げてきたので三条陸〜♥(信頼顔)ってなりましたよ。
大体ベルトさんを進ノ介が殺すというシチュエーションの成立だけでも難しいのに(どうやって殺すのよ?どんな理由で?)、今まさにクライマックスに向けて突き進んでいる最中のTVシリーズ本編に影響を与えないようにそれを描くなんて至難の業だと思うんですよ。
(例えばチート武器や新設定を出してしまうと何でその後の本編でそれ使わないん?ってなる)
それを見事にやりきったってだけで個人的には100点って感じでした。
っていうかライダー大戦の「トリックだったのさ、からの大運動会」を余りにも見せられすぎたせいで、普通の作品ならごくごく当たり前にやるであろう復活への伏線回収にめっちゃ感動してしまったり。完全に感覚が麻痺してますな。
今回、未来から進ノ介の息子がやってくるって内容が発表された時「あー反目し合った挙句最後は現在と未来のライダーがダブルライダーキックでゲスト怪人をボコる流れでしょう???」ってゲンナリしたんだけど、未来って味付けは実はほんの僅かで(イレギュラーなロイミュードが進ノ介を信用させるアイテムを持ってくるみたいな)、戦いも復活への伏線もほぼ手持ちの素材でやりくりしてるんですよね。(しかもちゃんと作中で失われてる)まあ地味っちゃあ地味なんだけど、それがなんというか大味さを消して丁寧だなーって思ったり。
そんなんです。劇場版によくあるダブルライダーキックや全フォームてんこ盛りバトル、最後は巨大化みたいな派手さはなかったけど、それでも満足度の高い作品でしたん。