[感想]ドクター・ストレンジ
魔法!それは聖なる力! 魔法!それは未知への冒険! 魔法!そしてそれは勇気の証!
面白かった!
週末公開だったドクター・ストレンジ、早速観てきましたよ。
めっちゃ面白かった!
以下ネタバレありの感想です。
アクションについて
MARVELの中では異色の魔術を操るヒーローということで、どんな描き方をしてくるか楽しみだったんだけど、円を描くように魔法陣を描いて(火花が散るこの描き方カコイイ!)そのサークルからムチなり力場を出したり、通りぬけフープみたいにワープしたりするタイプでした。例えば仮面ライダーウィザードなんかとはまた違った説得力のあるディティールでおおってなりましたよ。
作中なんども出てくる寄木細工やアラベスクよろしく街や建物がどんどん変形していく演出も、魔術というモチーフにぴったりの表現でいい感じでした。その変形が地形効果としてバトルフィールドを刻一刻と変化させるので(インセプションの360度廊下みたいな)視覚的にも楽しめる立体的な殺陣がたくさん見られて楽しかったですね。
シナリオについて
お話としては、新ヒーローのお披露目ということもあってか割とシンプル。天才外科医のスティーヴン・ストレンジが事故で両手の機能を失ったので、治療のためにと魔術にすがってみたら、そこでは宇宙を巻き込んだ師匠(エンシェント・ワン)と弟子(カエシリウス)との殴り合いが繰り広げられており、なんだかんだでストレンジは師匠エンシェント・ワンの後を継いで(遺言を聞いてしまったので〜)精神世界の守り手になることを決意するみたいな感じでした。
生真面目な兄弟子がエンシェント・ワンって禁呪使ってたんですか失望しました魔術師滅ぼします…みたいな感じでサクッと悪落ちしてしまったので、続編ではなんやかんやで対立し、やがてストレンジの胸の中で息絶えたりするのを希望しときますよ。
腕時計について
作中何度も登場する腕時計というモチーフなんだけど、(修行前チンピラに破壊されたやつね)壊れたそれは当然止まってしまったストレンジの人生を暗示すると同時に、時を正確に刻み続けるところからコスモス(秩序)のメタファでもある時計がエンディングでも壊れたままであるところから、今のストレンジの立ち位置がエンシェント・ワンと同じアンチコスモス(混沌)サイドに位置しているということを示していてなるほどなあとか思ったり。
※作中最大のキーアイテムであったアガモットの目が、まんま時間を巻き戻す能力を有しているのもアンチコスモス的ですよね。
思えば脊髄損傷から復活するもラストで兄弟子にパワーを奪われた男も、脊髄が治ったわけではなく魔法で動かしていただけなんで、これは壊れたものは元には戻らないことを暗示してるんじゃないかなと。ストレンジの同僚で片思い相手だったクリスティーン・パーマーとのヨリが、魔術師になっても結局戻らなかったことといい示唆的なんじゃないですかねー。