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[感想]ハーモニー

炎の魔女vsイマジネーター

観た

ProjectItoh三部作の第2作目であるハーモニーを観た。
噂には聞いていたんだけど、屍者の帝国よりかなり内容が尖っていて正直ドン引きしたというか、ちょっと人には勧められない感じだった。(面白くないわけではないです)
休日に友人と観に行かなくて正解でしたね…(ガルパン観に行きました♥)
キャラクターデザインも世界観に合った無機質な感じで(楽園追放みたいな3Dモデリング?)
ちょっとウーンな感じ。
もし主人公のトァンがアンジェラ・バルザックちゃんみたいな超シコヒロインで、物語的にもっと盛り上がりがあれば楽園追放みたいなエンタメSF映画になったのに残念だった。

ハーモニーを観たことで相対的に屍者の帝国の評価が上がったというか、屍者の帝国ってめっちゃエンターテイメント作品だったのだな〜と改めて思いましたよ。
以下感想です。


あらすじ

大災禍という未曾有の危機を経て、超高度医療による優しさと調和の社会が生み出された未来。同時に生み出された閉塞感から逃れるため自らの死という手段へと至った御冷ミァハは、13年の時を経て世界に新たな災厄を生み出そうとしていた。彼女の親友だった霧慧トァンはミァハに立ち向かうため旅立つ。

クレイジーサイコレズ物語

物語は御冷ミァハとかいうメンヘラクソ女が、この世をハーモニーの世界(人の意識が消滅する程の極端な調和の世界)へと全人類を引きずり込もうと13年ぶりにあの世から蘇ってくるんだけど、かつての親友で自殺仲間だった霧慧トァンが、完全調和は結構だがお前だけはそこへ連れて行かねえ〜とミァハを拒絶して終わってましたよ。
しかしこの御冷ミァハってキャラクター、本〜当にクソオブクソって言うか青少年の痛々しい所を凝り固めて結晶化したような、まあ理不尽の塊みたいな女なんだけど、何が邪悪かって人類を奈落に突き落とすその直前になって実は自分は人類に虐げられた被害者でした〜ってくる所。
徹頭徹尾相手の共感を許さず、その上で非難をも許さないってポジションに鎮座していて、だからこそ質が悪いというか恐ろしいモンスターだと思ったり。
作中で明らかになるんだけど要はミァハってのは生物における癌細胞のメタファなんですよね。
この癌細胞に免疫たる継母やトァンは最大限の愛情を持って接したと思うんだけど、それが最後の最後まで彼女に通らなかったってのは、なんというか決定的な人類の敗北を思い知らされましたよ。

炎の魔女vsイマジネーター

で、ハーモニー、めっちゃブギーポップvsイマジネーターっぽいと思った。
ミァハの、人の自由意志に全てを委ねる(殺人か死か)と言いつつその死を決定的に弄ぶやり口、どこかで見たなって思ったらブギーポップvsイマジネーターのイマジネーターこと水乃星透子なんだって気づいて、それに相対する人類代表が霧慧トァンでありつまりは炎の魔女/霧間凪なんじゃないかって考えたら途端に面白くなっちゃって、個人的にめっちゃ満足しました(楽しみ方がおかしい)
水乃星透子vs霧間凪を映像でやったらこんな感じになるんじゃないですかね?
で、ハーモニー同様多分イマジネーターが勝利すると思うんだけど、彼女が勝ち誇ったその瞬間。まさにイマジネーターが人生で一番綺麗な瞬間にブギーポップがその生命を刈り取るんだって思ったらすごいニヤニヤしてしまった。
癌細胞が自壊へのプログラミングなら、免疫機構もまた自動的なんですよね。
ニュルンベルクのマイスタージンガー〜♥(即落ち)


以上です。
ハーモニー、原作読もうかと思ったけどそれよりブギーポップvsイマジネーターを再読したくなってしまった…。